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政府系ファンド、各国利下げ受け再度ドル支援へ
ニューヨーク(ダウ・ジョーンズ)政府系ファンド(SWF)はこの数年間、投資対象をドル以外に分散化していると指摘されてきたが、現在、ドル離れを急ぐ動きは見られない。
市場に極端なストレスがかかるなか、重要なのは市場流動性だが、ドルは依然として世界で最も流動性が高い。
さらに、欧州全体で緊急利下げが相次ぎ、新興市場諸国ではドル相場が過去最低水準まで落ち込んでいるにもかかわらず、ドルに代わる信頼性のある高金利通貨が存在しないことが示されている。
先進国経済の減速が目立っていることも大きな要因となり、このところの金融緩和傾向(過去数十年間で最も広範囲の国々で利下げが行われた)を受け、資金の避難先としてのドルの地位は今後も揺るがないだろう、と通貨アナリストらは言う。
先週は台湾や中国、スロバキア、日本などが政策金利の引き下げを実施したが、今週はオーストラリア準備銀行が本日利下げし、英中銀イングランド銀行と欧州中央銀行(ECB)も追加利下げに踏み切るとみられている。
金利引き下げによる利回り低下を受け、SWFが投資先を高金利通貨へ分散化するペースは鈍化するだろう。さらに、世界的な流動性不足の状態からみて、このところのドル相場の堅調地合いが早期に反転するとは思えない。
「今後発表される統計で、各国の中央銀行がこの数カ月間に(外貨準備を)ドルから他国通貨へ分散化した形跡がないことが明らかになるだろう。中銀も投資家らとともに、ドル資産へ逃避し、ドル相場を支えてきたのだ」とRGEモニターのSWF担当アナリスト、レイチェル・ジーンバ氏は言う。
SWFや中央銀行はこのところドル売却を見送り、これがドルの為替レートを押し上げてきた可能性が高い。
これは、ドルや円の為替相場が低下し、中国やクウェート、サウジアラビアなどの国がより高い利回りを求めてドル資産から他国通貨への分散化を進める、という過去数年間見られた流れが、現在は反転していることを示している。
「今後はさらに流動性が重視されるだろう」とジーンバ氏は言う。
こうした流れは、原油先物相場が世界の景気減速による需要減懸念を受けた下落で打撃を受けている産油国以外にも、影響を与えている。非産油国の過剰流動性も今後は枯渇することになるだろう、とジーンバ氏はみている。
この結果、政府は自国通貨防衛のため外貨準備を利用せざるを得なくなっていることから、中央銀行の外貨準備やSWFの現金が最近、減少傾向をたどっている。
今も外貨準備を拡大しているのは、中国とサウジアラビアの中銀だけだ、とジーンバ氏は言う。これ以外の例えばロシアなどの中央銀行は、急速に外貨準備を減らしているという。
ただ、アナリストらによると、こうした国々の国富を過小評価することはできないという。
「こうした国は常に、一定の役割を果たすとみられる」とUBSの通貨アナリスト、ジェフリー・ユー氏は述べ、「今後は輸出を回復させ、(外貨準備を)積み増すことになるだろう」と語った。
実際、あらゆる兆候により、現在の混乱が一服した後にSWFが米市場での一層大きな役割を占めることが示唆されている。
先進国はできる限り速やかな資本の再投下を必要としている。米国の資産価格は過去最低水準にあり、アジアおよび中東のSWFはすでに安値拾いの買いを進めているうえ、今後もこうした行動は続くだろう。このため、ドルの長期的な利益も守られる見通しが強い。
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