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7月ユーロ圏マネーサプライと信用状況、景気後退懸念が拡大
フランクフルト(ダウ・ジョーンズ)欧州中央銀行(ECB)が28日発表した7月のユーロ圏マネーサプライ(通貨供給量)統計では、特に家計部門において、将来的な支出に備えた現金が減少し、信用状況が悪化したことが示された。このため、ユーロ圏のリセッション(景気後退)入りを懸念する声が高まっている。
同統計によれば、消費者が将来的な消費予定を削減したことを背景に、現金とオーバーナイト預金で構成されるM1の伸びは鈍化を示した。
M1は、需要の動向を占う上で重要な先行指標とされており、7月の伸び率は前年同月比0.5%増と過去最低を記録し、6月実績の同1.4%増にも及ばなかった。
「7月の消費者物価指数(CPI)4.0%の上昇だったことを考慮すると、実質的なM1は今のところ同3.5%まで落ち込んでおり、1992年のリセッション直前にあたる1991年7-9月期に記録した水準をはるかに下回っている」と、バンク・オブ・アメリカの欧州担当チーフ・エコノミスト、ホルガー・シュミーディング氏は指摘した。
また、「数字だけでみれば、実質的なM1は危機的状況にあり、2009年初頭に深刻なリセッションに陥る可能性を示唆している」とも語った。
ユーロ圏の信用状況が悪化し始めている兆候は、貸し出しの減少にも現れている。
ECBの7月の統計によれば、民間向け貸し出しの伸び率は前年比9.4%増と6月の同9.9%増を下回った一方で、家計向け貸し出しも同4.1%増と6月の同4.2%増から伸びが鈍化した。
非金融機関向けの貸し出しについても、7月は同13.2%増と6月実績の13.6%増を下回り、4カ月連続で伸びが鈍化した。
「銀行の貸し出し基準の厳格化は、融資状況に影響を与えているばかりか、資本支出に対しても逆風になる公算が大きい」と、シティグループのエコノミスト、ユルゲン・ミシェルズ氏は指摘した。
今回の統計は、ユーロ圏15カ国の経済成長にとって良い兆しとではなく、ユーロ圏が今期すでにリセッションに陥っている可能性が高まったと言える。ユーロ圏の4-6月期国内総生産(GDP)は、伸びが前年比0.2%増まで鈍化している。
「現在の数値は、(ECBが)緊急措置を実施するほど深刻ではないが、ECBのタカ派をしばらく沈黙させる要因にはなるだろう」と、ING銀行のエコノミスト、カーステン・ブルゼスキー氏は述べた。
ECBのシュタルク専務理事と理事会メンバーのウェーバー・ドイツ連邦銀行(中央銀行)総裁は今週、早期の利下げを望む市場関係者に冷や水を浴びせる発言を行っている。
中央銀行の動向に詳しい専門家の大半は、政策金利が来年引き下げられるとの見方を変えていないが、利下げの正確な時期については依然として確信が持てないでいる。28日の統計では、マネーサプライと信用状況がいずれも悪化を示したことから、年内早々に利下げが実施される可能性が高まっている。
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